かえる291の徒然日記

北陸に住む妄想好きなかえるが、日々思うこと、考えることを気ままに書き綴っています。

地球の真実

 福井市立美術館で開催中の「ナショナル ジオグラフィック写真展・地球の真実」を観てきた。ナショナルジオグラフィックといえば、地球の美しい景色とか動物とかの写真を掲載している雑誌というイメージしかなかったけれど、実は歴史のある雑誌であることを今回はじめて知った。地理学の普及を目指した33人のメンバーによって1888年1月27日に設立されたNPOナショナルジオグラフィック協会の公式雑誌として刊行。その後、地理学だけでなく、人類学、自然・環境学、ポピュラーサイエンス、歴史、文化、最新事象、写真などの記事を掲載しているのだとか。
 まずはその圧倒的な写真の美しさに驚く。地球とは、生物とは、人とはこんなに美しいものかと心が震る。爆発する大地、極彩色の鳥、少女の眼差し。もちろん、ただ喜びに包まれた写真ばかりではない。漂流物のプラスチックを飲み込み餓死した幼鳥。大事な家畜を車に轢き殺され、涙を流す貧しい羊飼いの少年。悲しい現実を美しい写真で眼の前に突きつけられる時、鋭く胸を突かれたような息苦しさも感じる。写真はあらゆる真実を冷酷に映し出す。
 第2会場の岩合光昭氏によるアフリカ・タンザニアの写真からは、30年近く前に旅したケニアの風を感じ、しばし懐かしい記憶にひたった。野生の動物たちの目力の強さ、乾いた大地を渡る風のにおい…。20代での、今思えばけっこう無茶な旅だったけれど、私の人生にこんなに豊かな彩りを添えてくれるとは、あの時は思いもしなかった。無理して行っておいてよかった。そして、また旅に出たいなぁ。

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